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2025.11.08
クローン病と潰瘍性大腸炎の違いについて

宝塚市・逆瀬川にある「おかだ消化器・内科クリニック」は、地域の皆様の健康と笑顔を守るため、日々の診療に取り組んでおります。内科・消化器内科を専門とする医師として、患者様お一人おひとりの症状に合わせた丁寧な診療を心がけ、予防から治療まで幅広くサポートしております。

このブログでは、当院での診療内容や、皆様の健康管理に役立つ医療情報を、わかりやすくお届けしてまいります。

今回は、炎症性腸疾患である「クローン病」と「潰瘍性大腸炎」の違いについてお話しいたします。

炎症性腸疾患とは

炎症性腸疾患とは、腸に慢性的な炎症が起こる病気の総称です。その中でも代表的なものが「クローン病」と「潰瘍性大腸炎」です。両者は似た症状を示すことが多いですが、発症する場所や炎症の特徴に違いがあります。
なお、クローン病と潰瘍性大腸炎はどちらも厚生労働省から難病として認定されており、適切な条件を満たせば医療費の助成を受けることが可能です。

クローン病の特徴

クローン病は、口から肛門までの消化管全体に炎症や潰瘍が発生する可能性がある疾患です。特に小腸や大腸に炎症が起こりやすい傾向があります。

発症部位と病変の特徴

クローン病の大きな特徴は、消化管のどこにでも炎症が起こり得ることです。また、健康な粘膜と病変部分が交互に現れるという特徴があり、大腸カメラ検査では粘膜に点々と炎症や潰瘍が見られます。さらに、炎症が粘膜の表面だけでなく、腸の壁全体に及ぶこともクローン病の特徴です。

よく見られる症状

クローン病でよく見られる症状には以下のようなものがあります。

  • 腹痛(特に右下腹部)
  • 下痢(血便を伴うこともある)
  • 発熱
  • 体重減少
  • 全身の倦怠感
  • 食欲不振
起こりやすい合併症

クローン病を放置すると、以下のような合併症を引き起こすリスクがあります。

  • 瘻孔(腸と皮膚、または他の臓器をつなぐトンネルのような穴)
  • 腸閉塞(腸が狭くなり内容物が通過しにくくなる状態)
  • 膿瘍(膿がたまった状態)
  • 肛門周囲の病変
  • 腸管外症状(関節炎、虹彩炎、皮膚症状など)

潰瘍性大腸炎の特徴

潰瘍性大腸炎は、主に大腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍が発生する疾患です。クローン病と同じ炎症性腸疾患に分類されますが、病変の特徴が異なります。

発症部位と病変の特徴

潰瘍性大腸炎の大きな特徴は、直腸から連続的に炎症が広がることです。大腸カメラ検査では、粘膜全体に広がる炎症や潰瘍が観察されます。また、炎症は主に粘膜の表面に限局しており、クローン病のように腸の壁全体に及ぶことは少ないのが特徴です。

よく見られる症状

潰瘍性大腸炎でよく見られる症状には以下のようなものがあります。

  • 下腹部の違和感や腹痛
  • 血便(特に粘液を伴う粘血便)
  • 下痢
  • 発熱
  • 貧血
  • 体重減少

潰瘍性大腸炎の症状は、増悪(ぞうあく)と寛解(かんかい)を繰り返すことが特徴です。つまり、症状が強くなったり弱くなったりを繰り返します。

クローン病と潰瘍性大腸炎の主な違い

両疾患の主な違いは以下のとおりです。

病変の部位は?
■クローン病

・口から肛門までの消化管全体(特に小腸と大腸)

■潰瘍性大腸炎

・直腸から大腸のみ

炎症の特徴は?
■クローン病

・病変がとびとびに見られる(健康な部分と病変部が交互に現れる)

■潰瘍性大腸炎

・連続した炎症(直腸から連続的に広がる)

炎症の深さは?
■クローン病

・粘膜から筋層まで全層に及ぶ

■潰瘍性大腸炎

・主に粘膜表面に限局

合併症は?
■クローン病

・瘻孔、腸閉塞、膿瘍などが起こりやすい

■潰瘍性大腸炎

・大腸がんのリスクが長期経過で上昇

診断方法について

両疾患とも症状だけでは区別が難しいため、以下の検査を組み合わせて診断します。

  • 問診と身体診察
  • 血液検査
  • 内視鏡検査(大腸カメラ)
  • 組織生検
  • 画像検査(CT、MRIなど)

特に大腸カメラ検査は、炎症の様子や分布を直接確認できるため、診断において非常に重要です。当院では経験豊富な医師による丁寧な大腸カメラ検査を行っており、患者様の負担を最小限に抑えながら正確な診断を行うよう心がけています。

治療方針について

両疾患とも原因は完全には解明されておらず、根本的に治癒させることは現時点では難しいとされています。そのため、症状を和らげ、炎症を抑え、合併症を予防することが治療の目標となります。

薬物療法

薬物療法では、5-アミノサリチル酸製剤やステロイド薬、免疫調節薬といった、腸に起こる炎症や潰瘍を抑えるお薬を使用します。

食事・栄養療法

症状の悪化時には、消化の良い食事や成分栄養剤、場合によっては中心静脈栄養などを用いることがあります。

外科治療

内科的治療で改善しない場合や、重篤な合併症がある場合には手術が必要になることもあります。

 

炎症性腸疾患は長期にわたる管理が必要な疾患です。気になる症状や疑問点がありましたら、お気軽に当クリニックにご相談ください。丁寧な診療と説明を通じて、患者様の不安を解消し、適切な治療をサポートいたします。

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