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2025.12.09
ピロリ菌検査や感染により引き起こされる病気

宝塚市・逆瀬川にある「おかだ消化器・内科クリニック」は、地域の皆様の健康と笑顔を守るため、日々の診療に取り組んでおります。内科・消化器内科を専門とする医師として、患者様お一人おひとりの症状に合わせた丁寧な診療を心がけ、予防から治療まで幅広くサポートしております。

このブログでは、当院での診療内容や、皆様の健康管理に役立つ医療情報を、わかりやすくお届けしてまいります。

今回は、ピロリ菌感染と関連疾患、検査方法についてお話しいたします。

ピロリ菌とは

ヘリコバクター・ピロリ(略称:ピロリ菌)は胃の中で生存できる細菌で、感染すると様々な胃の病気を引き起こす可能性があります。
日本人の感染率は年代によって異なり、特に1970年以前に生まれた方は、それ以降に生まれた方と比べて感染率が高いと言われています。

ピロリ菌感染が引き起こす疾患

ピロリ菌に感染しても、すぐに症状が現れるわけではありません。しかし、長期間放置すると以下のような疾患を引き起こすリスクが高まります。

慢性胃炎

ピロリ菌は胃酸から身を守るために尿素をアンモニアに分解します。このアンモニアが長期間胃粘膜に触れることで、慢性的な炎症が起こります。慢性胃炎の症状には、胃の不快感や胃もたれ、軽い吐き気などがあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

ピロリ菌が出す毒素によって胃や十二指腸の粘膜防御機能が低下し、胃酸や消化酵素によって粘膜が傷つけられることで潰瘍が形成されます。胃の痛み、消化不良、時に吐き気や嘔吐、黒色便などの症状が現れることがあります。

萎縮性胃炎

慢性胃炎が長く続くと、胃粘膜が薄くなり機能が低下する萎縮性胃炎に進行することがあります。胃酸の分泌も減少するため、胸やけ、胃もたれ、食欲不振などの症状が現れます。萎縮性胃炎は胃がんのリスク因子としても知られています。

胃がん

ピロリ菌感染と胃がんには強い関連性があり、胃がん患者のほとんどがピロリ菌に感染しているというデータもあります。萎縮性胃炎が進行すると、胃粘膜が腸上皮化生という状態になり、その一部が胃がんへと進展する可能性があります。

その他の関連疾患

その他、関連する疾患には次のようなものがあります。

  • 機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)
  • 胃ポリープ
  • 胃MALTリンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病

ピロリ菌検査はこんな方におすすめ

当院では、以下に当てはまる方に特にピロリ菌検査をおすすめしています。

  • ピロリ菌感染症や胃がんの家族歴がある方
  • 胃カメラ検査やピロリ菌検査を受けたことがない30歳以上の方
  • 除菌治療後の判定検査を受けていない方

ピロリ菌検査の種類について

ピロリ菌検査には、胃カメラを使用する方法と使用しない方法があります。

胃カメラを使用する検査
迅速ウレアーゼ試験

胃カメラで採取した組織を特殊な試薬に入れ、ピロリ菌の有無を判定する検査です。

組織鏡検法

採取した胃粘膜を顕微鏡で直接観察する方法です。

培養法

採取した組織を培養し、ピロリ菌の増殖を確認する方法です。

胃カメラを使用しない検査
血液検査(抗体検査)

ピロリ菌に対する抗体を検出する方法です。

便中ピロリ抗原検査

便の中のピロリ菌の抗原を検出する方法です。

尿素呼気検査

ピロリ菌の特性を利用し、呼気中の二酸化炭素量の変化から感染を判定する方法です。

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌が検出された場合は、除菌治療を行います。一次除菌の成功率は約90%となっており、一次除菌が失敗した場合、抗菌薬の種類を変えて再度治療を行います。

当院でのピロリ菌検査について

当院でのピロリ菌検査について

当院では患者様の状態や希望に合わせて最適な検査方法をご提案しています。特に胃カメラ検査は、ピロリ菌の検査だけでなく、胃炎や胃潰瘍、さらには早期胃がんの発見にも役立ちます。

お腹の調子が気になる方、ピロリ菌感染の可能性がある方は、お気軽に当院にご相談ください。

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